Archives : 8月, 2015

ROBERU

 

・上気せし浜辺の恋や秋の雨

一年ぐらい経つでしょうか、
本町小学校前に、
飾り付けのステキな小さなお店が出来ました。
仕事を終えての帰宅途中、
何度かふらりと入って
商品を手に取り、
眺めているうちに、
なにか自分のモノがほしくなり、
電子辞書のケースというか、
カバーを
作ってもらうことにしました。
そうです。
ここはレザーのハンドクラフトのお店。
お盆休みに入る前日、
愛用しているカシオの電子辞書を
店長さんに預け、
ふるさと秋田で数日体を休ませ、
明けて
出社した日の夕刻訪ねると、
出来ていました。
オーダーメイドの電子辞書カバー。
いつも鞄に入れて持ち歩き、
少なくとも一日一度はつかいますから、
手のひらにフィットし
肌触りのいい革の感触は、
言葉を調べることを楽しくさせてくれます。
桜木町に来られるとき、
一度訪ねてみてはいかが?
お店の名前はROBERU。
イケメン店長さんが応対してくれます。

・街も屋も白く湿らす秋の雨  野衾

逆さY女

 

・夕過ぎて窓下賑わす虫の声

駒澤大学へ行った帰り、
喫茶店で俳優の日色ともゑさんを見たことは
きのうここに書きましたが、
もうひとつ
忘れてならないことがありました。
それは、
田園都市線駒沢駅構内でのこと。
階段を下り
地下通路を歩いていると、
イシバシが、
「ほら、ほら…」と前方を注視しています。
見れば、
スーツ姿の颯爽とした女性が、
大きく脚をひらき、
そうですね、
かかととかかとの間が
少なくとも
四十センチはあったでしょう。
膝をピンと伸ばし。
あごを気持ち前に出し、
携帯電話をかけているところでした。
なぜ脚をひらく必要があるのでしょうか?
彼女の横を通り越し、
二十メートルほど進んだとき、
阿吽の呼吸でイシバシと振り向くや、
離れていますから
姿は小さくなっていましたが、
かえって形くっきりと、
彼女は「Y」の字を逆さにした姿で立っていました。

図書新聞に、
寅さん本の書評が掲載されました。
コチラです。

・秋なれば空深くより音来る  野衾

見てみたかった

 

・虫の声聴きて家路を通り過ぐ

駒澤大学での打ち合わせの帰り、
いっしょに行った専務イシバシが、
この近くにいいお店があると言うので、
入ってみることにしました。
大通りから少し逸れた所にある
なんということのない
小さな喫茶店でしたが、
とても落ち着きます。
カウンターとテーブル席がありますが、
五、六人入ったらいっぱいな感じ。
窓際のテーブル席で
ケーキを食べているきれいなおばさんがいました。
すぐに、
見たことがある!
と思いました。
ん?
日色ともゑさんに似ている。
似ている。
似ているゾー!
いや、
似ているのでなく、
日色ともゑさん
だな。
俳優さんだからなぁ。
齢はとってもきれいなものです。
日色さんが店を出てから、
イシバシに、
いまそこに日色ともゑさんがいたよ
と告げると、
なんで教えてくれなかったんですか…。
だって、
教えたら、
あなた絶対からだを大きく動かして
本人に気づかれるように見るでしょうよ。
見てみたかったなぁ、
と悔しそうな専務イシバシ。
レモンティーとマサラティーを運んできた店のママさんに、
「いまそこにいらした方は俳優の…」
とイシバシが
我慢ならずに尋ねると、
「はい。日色ともゑさんです。
週一回ぐらい見えられますよ」
「そうでしたか。見てみたかったなぁ」
とことん悔しそうな
専務イシバシでありました。

橋本照嵩『石巻かほく』紙上写真展
の二十八回目が掲載されました。
コチラです。

・宿題を終えて万端りなぴかな  野衾

PDF

 

・とりたてて言うこともなし秋の風

きのうのつづきです。
新聞紙面ではふつうに問題なく読めるのに、
また、
紙面をスキャンしPDFデータにしたものを
パソコン上で開いて読むだけなら
まったく問題ないのに、
きのうのような形でアップすると、
文字が重なって読めない箇所が生じてしまうことについて
ですが、
機械音痴のわたしでは
まったく原因が分かりません。
スミマセン。
PDFというのは、
Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)
の頭文字を取ったもの。
アドビ社が開発した文書ファイル形式で…
なんて書くと、
いっぱし業界の人みたいですが、
とりあえず業界の人ではあるのですが、
意味内容についてはまったく
ちんぷんかんぷん。
でも、
仕事上重宝していることは事実でありまして。
わたしの感覚としては、
これのおかげで、
紙を持ち運ばなくてもよくなった。
どんなソフトでこしらえたデータでも、
PDFにさえしてしまえばもう安心!
写真みたいなもので、
実物どおりを再現している、
そんなイメージ。
であったのに、
きのうここで取り上げた問題というものは、
わたし的な感覚からすれば、
カメラを向けシャッターを切ったときは笑顔
だったのに、
写真にしてみたら泣き顔
あるいは怒り顔
だった、
みたいな。
もはや想定外どころの話でない。
ああやっぱり紙はいい!

・秋風や気のみ芭蕉か良寛か  野衾

精霊蝗虫

 

・焼酎の色を光らす酢橘かな

ショウリョウバッタを漢字で書くとこうなるそうです。
ショウリョウバッタのあの顔つきというものは、
気難しい漢文の先生
みたいでもありますから、
体を表す名としては
むしろ相応しいかもしれません。
ところでその精霊蝗虫を
あやうく箸でつまんで食べるところでした。
土曜日だったと思います。
家人といっしょにテーブルに向かい
少し早めの昼食となりました。
早朝からほぼ休みなく
小さい字を読んでいましたので、
頭が少々ボーッとし、
目もショボついていました。
目の前の小鉢に緑の野菜が入っていて、
箸で摘まもうとした瞬間、
細い緑がピョンと跳んでご飯の上に。
そのままジッとしている。
野菜がみずから跳ぶわけはない。
箸でなく、
そろ~り指でつまんで顔を見たら、
気難しそうな
漢文の先生の顔でありました。
つぶさぬように注意し
ベランダの外の緑に放ってやりました。
ほんと
食べなくてよかったよ。

高橋和夫先生が図書新聞に
『おうすいポケット 新井奥邃語録抄』
の書評を書いてくださいました。
コチラです。
(図書新聞の本紙ではちゃんと読めるのに、
スキャンしたデータではなぜか本文が重なり読みにくい箇所がございます。
ごめんなさい。
四段目右から3~4行目「さらには「霊性の思想家」と呼びたい」
五段目右から2~4行目「我が中に在る光明相発して上と共に貫織すれば也」)

・岡田さん今年もたんと青酢橘  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。