暖暖

 

・石楠花や青のあはひを彩れり

もうぶり返さないでしょう。
Tシャツに長袖のシャツ一枚でも平気になりました。
この季節、
青葉若葉で黄緑が目にやさしく、
空もいっそう青さを増しています。
会社への坂の途中、
石楠花が満開で、
降ってくるような空の青さに囲まれ、
鮮やかなピンクが沁みてきます。
チューブから、
青とピンクの
絵の具をしぼり出し
手のひらで
直接画用紙に
塗りたくりたくなります。
抽象画はそうすると、
けして抽象などでなく
そのときどきの
あふれる気分や心模様の
きわめて精密な具象画とも思えてきます。
気分も心も、
抽象といえば抽象、
具象といえば、
ものに触れてのたしかな具象であるともいえそうです。

・天上の春の嵐も渇きけり  野衾