旧交

 

・つれづれを草しみじみと春の宵

高校の同級生S君が、
地元紙の出版部長に昇進し、
会議に出席のため上京するとの連絡がありましたので、
昨日、
東京駅八重洲中央口で待ち合わせし、
会ってきました。
ふたりとも五十半ばを過ぎ、
らしくぼやぼやと老いはじめ、
あの混雑のなか、
はたして指呼できるかと不安がよぎりましたが、
いくつになっても、
こごろとまなぐは少年のまま、
きろっきろど。
まったくの杞憂に帰し、
すぐにやあやあやあ、
まあまあまあまあ。
で、
駅地下にある
おしるこ屋へ。
S君は漉し餡のぜんざい、
わたしは粒餡のぜんざい。
お茶を何杯もお替りし、
ぜんざいひと椀で一時間。
むかしの時間のほうが長くなって、
道に置いてきた石をよけると、
思わぬ発見があったり、
過去は過去ならぬ、
思わぬ発見の現在であるなあと。

・春日出で物産展の蟹を食ふ  野衾