葛飾柴又

 

・柴又や寅さん像の寂しかり

寅さん好きとしていつか訪ねたいと思っていた
葛飾柴又へ行ってまいりました。
柴又駅に降り立つと、
緑のベストを身にまとった初老の男性が寄ってきて、
「もし、よろしければガイドしますが…」
聞けば、
ボランティアで、
寅さんゆかりの場所を案内してくださるという。
願ったり叶ったり。
花曇り、
ときどきぱらぱら雨も落ちる
肌寒い天気が
むしろ幸いして、
人の出足が鈍く、
おかげさまで、
その分ゆっくり散策できました。
矢切の渡しはさすがに寒く、
舟には乗りませんでしたが、
土手に立てば、
はるか向こうから
格子縞の背広を羽織った寅さんが、
肩を揺らしてこちらへ歩いてくる姿が想像されます。
また、
帝釈天で産湯を使いのあの帝釈天、
その帝釈堂内陣の外側には、
法華経から選んだ説話をモチーフに、
十枚の胴羽目彫刻が施されており、
ただいま『法華経諺解』の編集に当たっている
わたしとしては、
これも一つのご縁であるかと、
感慨を深くした次第。
春風社のロゴを作ってくれた畏友長野亮之介の
「雨ニモ負ケズ」鼻曲がり鮭Tシャツが
境内で売られていたのにもビックリ!
店の人にも、
ガイドさんにも、
「これ描いたの、ぼくの友人です」と自慢。
長野さんにもしばらく会ってないなあ。

・花ちるや帝釈天の鐘をきく  野衾