野衾

・寒い日はごく集中して仕事でき

先日、
初めてお会いする先生をお連れし、
ふく・うなぎ・どぜう・季節料理のお店
野毛にある福家さんを訪ねた折
の帰り、
若女将から
「野衾はなんとお読みすればいいのですか?」
と尋ねられ、
いや、うれしかったのなんの。
だって、
なんと読めばいいのかということは、
このブログを読んでいるということではないですか。
どうもどうも。
「野衾」は「のぶすま」
音読みだと「やきん」になりますが。
まあ、
「のぶすま」と読んでいただければ幸い。
泉鏡花の小説に登場する野衾
が気に入り、
つかわせてもらっています。
ムササビのことです。
ええ、わたくし、ムササビが好きなんです。
「のぶすま」のふすま(衾)ですが、
「ふすま」というと、
ふつうは「襖」と書きまして、
和室のしきりに使われる建具を指します。
ところが同じ「ふすま」でも
「衾」は掛け布団のこと。
したがいまして、
野衾とは、野のふすま、
いわば野外の掛け布団であります。
ムササビがバッと手足を広げたところは確かに掛け布団っぽい。
若女将さんが読んでくれていることを尻、
失礼! 知り、
うれしく、
気も動転し、
説明不足であったような
気がいたしまして、
この場を借り、
ご説明させていただきました。
どうもどうも。
また近々寄らせていただきます。

・寒い日はパソコン前で固まりぬ  野衾