指が打つ

 

・再校のゲラぎりぎりの師走かな

弊社は今日が仕事納め。
一年を締めくくるに相応しいことをと思いながら、
うんうん唸っても
とんと思い浮かびません。
仕方がないので、
目の前の指について書いて終りにします。
このネタ、
数年前も書いたように記憶していて、
もしそうであれば、
ダブることになりますが、
文章までまったく同じということはないでしょう。
年を重ねていますので、
相応に身体感覚やら
脳の具合が衰えているでしょうから。
でありますから、
あ、これ前に読んだことあるという方がおられたら、
ごめんなさい。
さて目の前の指ですが、
何する指かというと、
パソコンのキーボードを打つ指のことでありまして、
わたしは右手の人差し指と中指しか使いません。
右手人差し指と中指といえば、
このごろは、
ATMでの本人認証で用いられるようになり
使用頻度が上がっているとはいうものの、
わたしの場合は
なんといってもパソコンです。
未だにどこに何のキーがあるか記憶していません。
もしテストされたら間違いなく零点です。
なのに、
例えばこの文章も、
いつものように右手二本指でパチパチ打っているのです。
我が指と我が脳ながら、
どういうメカニズムになっているのか、
とんと分からず。
この指の動きを見ていると、
主人であるわたしとは別に、
指先に二つぶの
ちっちゃな数の子みたいな脳があり、
それが勝手に判断して二本の指を動かしている、
というふうにも見えます。
なんとも不思議。
人生には、
どうしてあんなことをしたのだろうと不思議の感に打たれ
思い返すことが間々ありますが、
パソコン入力についても同様、
キーの位置を覚えていないのに、
なんで打つことが出来たのだろうと、
不思議の感に打たれます。
さて弊社は明日より来年一月四日まで冬期休暇とさせていただきます。
五日より通常営業。
どうぞ皆様よいお年をお迎えくださいませ。
指もしばらく休ませます。

・表裏違わぬように賀状書く  野衾