千年の時に触れる

 

・凩や千年の祭り降臨す

「春日大社若宮おん祭」に参加して参りました。
事前に情報を仕入れ、
それなり寒くない恰好で臨みましたが、
いやいや寒いの寒くないの。
持参したホッカイロでは数が足りず、
コンビニで急ぎ補充。
ホッカイロのぬくさが
これほどありがたく感じられたことも
ありませんでした。
十七日の深夜午前0時を期し若宮様をお迎えし、
「御旅所(おたびしょ)」という
仮の御殿にご案内します。
これを「遷幸の儀(せんこうのぎ)」といいます。
御旅所までは、
神職たちの「ヲー」という警蹕(けいひつ)の声に和し、
招待客も「ヲー」と発しながら
真っ暗闇のなか参道を随行します。
参道にはいつの間に
どこから現れたのか、
一般参賀の方々が燈籠のように延々と並び、
行列を迎え送り礼を行います。
招待客は観るだけと思っていましたら、
あに図らん、
いつの間にか観られる側にシフトしており…。
時空を超えた壮大な祭りに直に触れる
それはそれは
すばらしい体験でした。
やがて若宮様は御旅所に到着、
丸一日二十四時間の旅をし
(その間、人間は歌舞音曲によって若宮をもてなし
神とヒトとの交感がなされます。
これが祭りのメインイベント、
競馬、稚児流鏑馬、社伝神楽、田楽、猿楽、舞楽などが供されます)
翌日の深夜0時に元の宮に若宮様をお送りします。
これを「還幸の儀(かんこうのぎ)」といいます。
今回が八七九回目。
若き巫女さんたち神職さんたちの眼の輝き、
立ち居振る舞いの若々しいこと
美しいこと。
目を瞠らずにはいられません。
ふだん接する若者とは質が異なりました。

・時降りて春日若宮おん祭  野衾