気が置けない友と

 

・灯火のごとき黄葉横須賀線

二、三品の料理と旨い酒をつまみに、
気が置けない友と語る、
これが人生の楽しみでなくて
ほかに何があろう、
ということをしみじみ感じた休日でした。
洋の東西を問わず古来から、
詩人たちはその喜びを詠ってきたわけでしょうが、
年を重ねてようやく
その境涯に近づいたのかも分かりません。
いろいろ、
本当にいろいろ、
いろいろ、
悩み、不安、恐怖、落胆、悲惨等々、
マイナスの単語を上げればキリがありません。
先日、
福島第一原発事故後の福島を描いた
ドキュメンタリー映画を観る機会がありましたが、
『遺言』と題された映画の副題は、
「原発さえなければ」
その言葉は、
壁にチョークでそう書き残して自死した男性
のものであったことが、
映画を観ていると分かります。
今の政治の動きを見ていると、
政界というのは、
政治みたいなことをやってる業界で、
儲かれば
なんでもあり、
というふうにしか見えません。
嘆かわしいかぎりなわけですが、
そうであればあるほど、
「生きるために笑いまっしょ。」
に尽きるのだと思います。

・蒼穹に紅葉かつ散る宴かな  野衾