本のこと

 

・皮剥いて渋皮剥いて蜜柑かな

恩師からケータイ電話にメールをいただきました。
この日記にもリンクを貼りましたが、
先だって図書新聞に掲載された
東京堂での対談の記事が「難しかった」
というものでありました。
学識のある方で、
またメールの文体からして
半分は冗談かなと読みましたが、
ケータイの画面を離れ、
ふと、
小さい頃、
わたしは本に親しんでいなかったなあと思いました。
本を読むことはわたしにとりまして、
いわば大人の世界であって、
子どもは本を読まぬもの、
本を読まないのが子どもだよ、
という見方を、
自分の経験からしているところがあります。
に比べ、
メールをくださった恩師もそうですが、
小さい頃から本に親しみ、
本を楽しんで読む方たちがいらっしゃいます。
うらやましく思う気持ち半分、
そうやって読むのが本当だろうなあと思いますが、
いまさらどうすることもできません。
本は、
楽しくないこともありませんが、
なくてもどうってこともない気もします。
わたしの場合、
楽しく読むというよりは、
少しでも先人に近づきたい思いで
読んでいる節もありそうです。
他人事みたいですが…。
いわば勉強か精進か二宮かといったところでしょう。
なので、
いまはまだ本を読んでいるけれど、
いよいよ年をとり、
肉体の消滅が現実感を増したなら、
本など読まなくなってしまうような気もしますし、
それでいいとも思います。
人生の中ほどは、
本を読んだということで。

・朱欒とはザボンのことと知らざりき  野衾