ちわきまゆみ

 

・秋雨やとかとんとんと染み入りぬ

ちあきなおみ、でなく、ちわきまゆみ。
わたしがこの人を知ったのは、
弊社から本を出している大嶋拓さん製作・監督・脚本・編集の
映画『火星のわが家』がきっかけ。
映画に登場する姉妹のお姉さん役でした。
その後、
というのは、
『火星のわが家』を観たあと、ということですが、
雑誌などでたまに見、
へ~あの人だ、こういう人なんか、
とかとかと意識するぐらいで、
それ以上でも烏賊でもなく。
(痛風治ってよかったぁ!)
そのちわきまゆみが夢に現れた。
数名でいっしょに旅行に行っている感じ。
途中いろいろあって省略、
ごく自然に
ちわきさんとわたしだけ二人で行動し始め、
なんとなくいい感じ。
小川が流れる谷あいでは、
ちわきさんがわたしに寄り添ってきて、
ますますいい感じで話は進み。
さらに進むと、
断崖絶壁の見晴らしのいい場所に出、
そこは崖さえ気にしなければ、
遊びの野球ぐらいならできそうな広さ。
シートを広げ寝そべっているカップルあり。
崖になっている縁には人が並び、
縁だけ髭を残して剃っている変顔の人を思い浮かべた。
そんなことはどうでもよく、
一応わたしたちも縁の方まで歩を進めると、
「ここにトルストイも来たらしいよ」
そんなことあるかよ日本に来てねーしとわが内なる声。
とその時。
キャッ! と、ちわきさん。
体を押し付けてきた。
お~びっくりしたぁ!!
どっどの心臓鳴り止まず、
二人はゆっくりその場を離れた。
それからまた歩き。
わたしの声がデカイと若者に注意され。
その若者、
ちわきさんが所持していた雑誌を目ざとく見つけ、
「ちょっと見せていただけませんか?」
雑誌に興味があるのか、
ちわきさんに興味があるのかこの野郎。
「どうぞどうぞ」気前がいい。
ちわきさん、
バッグの中から携帯電話を取り出し、
別れた仲間の一人に連絡を取っている模様。
「うん。……うん。五時か六時までには合流するから」
話は佳境に入る感じ。

・メガネ曇るセブンイレブン秋黴入  野衾