Archives : 10月, 2014

きんき喰いてぇー

 

・思い出はきんき塩焼き一関

海のサカナで一番好きなのがきんき。
川魚では鮒。
いずれも、
焼いても煮ても美味しいわけですが、
秋田の母は、
薄く塩を振って焼いてから
煮ます。
こうすることにより
焼きの香ばしさがサカナに加わり、
一段と旨みが増します。
なんでいきなりきんきかというと、
『日本の七十二候を楽しむ 旧暦のある暮らし』(東邦出版)
の今日の日をふくむ候のページに
出ていたからです。
この本、
売れてもいるようですが、
とてもいい本です。
文:白井明大(しらいあけひろ)
絵:有賀一広(あるがかずひろ)
文章が簡潔で分かりやすく、
季節のものへの深い情愛が感じられます。
絵は水彩で、
四季折々の花鳥風月を
慈しむように描いています。
わたしの句作の種本でもありまして、
うんうん唸って
それでもなんも出てこぬときは、
この本を開きなにかヒントはないかと探します。
ぱらぱらページをめくっているうちに、
ん!
となればしめたもの。
ならぬときは大変。
カーテンを開け外を眺めたり、
立ち上がって狭い部屋をうろうろしたり。
でもって最初の句。
一関の富澤さん。
あそこのきんき焼き定食というものは、
日本最高だと思います。
また行きたい!

姪の結婚式で秋田に帰ることになりました。
そのため、
来月四日五日の「よもやま日記」はお休みします。
よろしくお願いします。

・ゲラの字や肛門宮度に染み入りぬ  野衾

初恋の日

 

・歳時記を睨み句作や秋日和

今日十月三十日は「初恋の日」だそうです。
なんでかっていうと、
島崎藤村の詩「初恋」
が発表されたのが、
明治二十九年(一八九六)の今日だから。
島崎藤村にゆかりのある
長野県小諸市の中棚荘が決めたのだとか。
旅館が決めたか。
早いもん勝ち、
決めたもん勝ちの感がないでもない。
でも、まだ、
そうか、
藤村の詩「初恋」がねぇ。
今日だったのか。
と、
ほんの少しだけですが、
なにやらの感慨が湧かないこともない。
ところが、
今日はまた、
「たまごかけごはんの日」でもあるんだそうです。
ええええっ!!
平成十七年(二〇〇五)の今日、
第一回日本たまごかけごはんシンポジウム
が開催されたことに因み。
そう決めたのは、
島根県雲南市の「日本たまごかけごはん楽会」
「学会」でなく「楽会」
そうでしたか。
となると、
嫌いではなし、
晩はたまごかけごはんにするか。
痛風は大丈夫か?
一個ぐらいなら平気か?

・秋の日やヰ゛オロンてヴァイオリン?  野衾

西脇さん

 

・一行の詩を考えて秋酣

このごろは西脇順三郎の詩と詩論、エッセイ、
評伝やら西脇論まで含め、
西脇さんのものばかり読んでいます。
ポポイポポイと草木もなびく模様。
変ったところでは、
『西脇順三郎全詩引喩集成』これ凄い!
西脇さんがつくった詩に古今東西のどんな言葉が引かれ、
また一見そうと知れない字句が、
いかに自家薬籠中のものとなり、
西脇さんの詩に反映しているかを
細部にわたり
丹念に調べ上げたもの。
これなど、
遅ればせに詩を勉強したく思っている
わたしなどにとりまして、
替えがたく面白く感じられ
興奮しました。
西脇さん以外にも
こういうものがあると役に立つと思うのですが。
外国には割りとあるようです。
詩は感性で書く、
とばかりも言えなそうで。
というわけで、
ちょっとした西脇フリーク。
西脇さんは、
芭蕉にも興味を持っていたようですが、
西脇さんて、
外国へ旅した芭蕉みたい、
だんだんそんなふうにも思えてきます。
芭蕉がヨーロッパへ旅していたら、
なんて考えてると
楽しくなってきます。
奥の細道ならぬパリの細道とか。
こうなると、
エズラ・パウンド、T. S. エリオット、ジョイス、イェイツ
までのラインが近く太く
見えてき、
どんどん広がっていきそうな気配。
遅れてきた青年の個体発生は系統発生を地で行き、
せっかくだから初源の受精卵まで。
いや父母未生以前まで。欲張りか。
季節は秋。
さあ読むぞ!

・実ありて鐘鳴らずとも柿は食う  野衾

秋田さ

 

・なめこ汁ありて華やぐ夕餉かな

子どものころ、
かぞぐで秋田さ行ぐのがいぢばんの楽しみだった。
とうさん、かあさん、おどうとどいっしょに行った。
まだ自家用車が無ぐ、
汽車で。
四人がげのシートの窓際はおらどおどうと。
通路側がとうさんどかあさん。
国鉄の汽車のシートを下がら指でなで上げれば、
白い筋がでぎでおもしろがった。
何度でもやった。
まんぷくしょぐどうではラーメン。
木ノ内デパートのおぐじょうで遊んだ。
きょうはアノラックを買ってもらう。
おらは白いアノラックどバンド。
おどうとは白いアノラックどけり。
白いアノラックはめじらし!
そうやって出がげだものだった。
じいさんも、ばあさんも、いであった。
じいさん、ばあさん思えば、
なだ出でくる。
なんも、なあんも、しんぱい無がった。
んにゃ。
しんぱいはそれなりあったども…。
いまどなれば、
しんぱいまでかがやいで見える。
いまは、
くだらにゃぐはにゃども、
おどなの、
しなければいげないしんぱいが山ほど。
しんぱいごどをこなして日が暮れる。
じぇんこ、かへがねばダメだし。
じぇんこかへぐのたいへんで。
姪っ子のけっこんしぎによばれ、秋田さ帰る。
秋田さ。秋田さ。

・現実をシュルレアリスム強化され  野衾

キリコ展

 

・バス去りて路に一人虫すだく

好きなジョルジョ・デ・キリコの展覧会、
夫人の旧蔵品を中心に約百点、
その八割が日本初公開というので、
さっそく行ってまいりました。
まず。
キリコの顔ですが、
優しい目をしたハイデガーみたい。
垂れ目だし。
歯、イデ(痛)がー?
なんてあきた。
キリコキリコ。
霧子といえばフランク永井。
♪好きだか~ら とてもとてもとて~も♪
霧子のタンゴ。
どうも逸れるんシュルレアリスム。
画集で知っているだけの画がいっぱい。
これ知ってる。
これ知ってる。
これ知らない。
これも知らない。
これ知ってる。
………………
知ってるもの、
画集で見たことのあるものは
少なくありませんが、
印象はだいぶ違います。
色が素晴らしい。
色か。
形は捉えても色は真似られない。
現代の印刷技術をどんなに駆使しても、
たとえば〈噴水のあるイタリア広場〉
や〈吟遊詩人〉の
原画の色を再現できないのでしょう。
色が再現できないということは、
キリコの孤独を再現できないのでは?
色のない孤独はない。

キリコ展は十二月二十六日まで。
東京・汐留ミュージアム。
一般千円。
水曜休館(十二月三、十、十七、二十四日は開館)。

・キリコ展出でて汐留独りキリコ  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。