社風

 

・文藝の匂い醸すや秋の風

弊社創業十五周年を記念し、
先週土曜日、
神田神保町にある東京堂書店六階ホールにて、
文藝春秋前社長の平尾隆弘さんと対談を行いました。
司会は学習院大学の中条省平さんです。
いやぁ愉しかったー!!
中条さんが隣りで道案内をしてくれることで
安心し、
もうもう羽を伸ばして喋りました。
平尾さんのお話はどれも、
経験に裏づけされた含蓄のあるものばかりで、
もっと聞きたくなりました。
お集まりくださったお客様もそうだったろうと思います。
ところで、
イベントの開始三十分前、
両氏とともにエレベーターで六階に上がりましたら、
会場の入口にきれいなお花が飾られていました。
見れば、
「御祝 株式会社文藝春秋より春風社様へ」
と書いてあるではありませんか!
驚きました。
平尾さんもご存じないとのこと。
さらに驚きました。
平尾さんは、
この日のことは
会社に話していないということなのです。
文藝春秋のどなたかが情報を知り、
上司とも相談して、
このようなありがたい心配りをしてくださったものと想像されます。
社風という言葉を思い浮かべました。
平尾社長が会社をお辞めになったのはこの六月。
三ヶ月前です。
社員ご一同が親しくお世話になったであろうとはいえ、
会社を離れた前社長の対談相手の会社向けに、
果して花を贈るだろうか。
こういうことのできる会社に少しでも近づきたいものと、
心を新たにいたしました。

・いつの日の夢の彼方の曼珠沙華  野衾