加山雄三の存在感

 

・台風の報せ暗躍するは誰ぞ

きのうテレビを点けたら、
加山雄三が出ていました。
昨年十月に亡くなった作詞家・岩谷時子さんとの
コンビで作った歌についての話が主でしたが、
その語り口調が淡々としており、
聞いていて実に気持ちいいものでした。
加山雄三といえば、
『君といつまでも』の加山雄三で、
なんだかニヤケているなぁと思ったものでした。
「幸せだなァ 僕は君といる時が一番幸せなんだ 僕は死ぬまで君を離さないぞ、
いいだろ」のセリフのところは、
けっ! どうぞご勝手に、
いくらセリフでも、
よくそういうことをへらへら照れずに言えるなぁと、
見ているこっちが赤くなった。
ということで、
悪い印象はありませんでしたが、
それほどいい印象もなく、
ああ、出ているなあぐらいなもの。
ん! と、身を乗り出したのは、
成瀬巳喜男監督の映画『乱れる』。
高峰秀子との共演で、
高峰秀子が好きで
高峰秀子を見たくて観たのでしたが、
そのときの加山雄三がとてもよかった。
義姉を思いやる弟の気持ちが痛いほど伝わってきた。
それからです加山雄三がテレビに出ていると、
好ましく見るようになったのは。
きのうの番組で、
今年記念すべきコンサートが催されることを、
司会進行役の武田鉄矢が
加山の年齢を告げずに紹介すると、
「いいんだよ言って。喜寿でめでたいんだから。七十七歳の祝いさ」と。
これまた堂々として格好よかった。

・そろそろだ竜頭蛇尾となれ台風  野衾