梅雨晴間

 

・詩を読みてすがる言葉や夏の海

東京学芸大学へ行ってきました。
遠かったー!!
武蔵小金井は遠い。
そこからまたバスだもの。
先生の研究室前で
会社の二人と待ち合わせをしたのですが、
余裕をもって会社を出たのに、
余裕をもちすぎ、
約束の時刻を五分ほど過ぎてしまいました。
無事に打ち合わせを終え、
正面玄関をでたところにあるバス停へ。
Kさんはさらに営業のため他の学部棟へ。
バス停に着くや専務イシバシが
バッグからおもむろに銅鑼焼きを。
半分にし、わたしに大きいほうをくれた。
「なにこれ?」
「銅鑼焼き…」
「見れば分かる。なんでこれ持ってるの?」
「昼ごはん食べなかったから」
「ふーん。ありがとう」
二人ぽけーと、銅鑼焼きを頬張っていると、
「バスなら、こちらですよ」
ん!?
見遣れば、
色の白い美しい少女。学芸大の学生さんかな…。
「ありがとうございます」
バス停の支柱のある場所は降り口で、
そこから三メートルほど離れたところが乗り口らしく、
そのことを教えてくれたのだ。
わたしたちが移動するのを見越し、
そのスペースを空け、すっと立っていた。
立ち姿がなんとも美しい。
このごろの、
黴の生えたような気分が
一気に晴れていくようでした。
駅前でバスを降りると、
彼女もそこで降りてきました。
目の前を彼女が通り過ぎるとき、
目礼すると、
彼女もわずかにお辞儀をし、
駅のほうへ向かって歩いてゆきました。
こんなこともあるものだと、
いい気分になってゆっくり歩き出しました。

・外れ無く天に軌道のある如し  野衾