御殿山

 

・朝靄を透かし輝く五月かな

わたしが住んでいる丘は御殿山といいます。
タクシーの運転手に告げた場合、
「へ~、御殿山っていうんすか」と言われ、
つい、三平よろしく、
「えらそうでスイマセン」と口をついて出ることもあります。
長く住んでいるひとに尋ねても、
かつて御殿があったという話をとんと聞かず、
ならばなんで御殿山なの?と不思議でしたが、
このごろひょっとしたらと思わないでもありません。
保土ヶ谷橋から井土ヶ谷に向かう環状1号は、
井土ヶ谷切り通しとも呼ばれていて、
東向きの窓から切り通しの向かい側を見ると、
丘になっており、
緑の中に家が点在しています。
日没の頃、
晴れていると、
西日が丘を照らして黄金に輝きます。
十数年前、
モデルルームを見に来たときに、
まさにその時間にあたってい、
その景色と色に一目ぼれして、
あとさきを考えず速攻で購入を決めました。
御殿山は、
御殿のあった山、でなく、
御殿から見る夕陽に見まごうばかりの景色が楽しめる山
ぐらいの意味で、
ここに昔住んでいた人が付けた名前かと
このごろ勝手に思っています。

写真は、まるちゃん提供。

・新緑や水したたりて珠となる  野衾