猫でなく

 

・入学を待ちて華やぐ四月かな

朝の四時過ぎ、
ハーフサイズの毛布を腰に巻き
本を読んでいたら、
ベランダの向こうからヒョイヒョイヒョイ。
窓に近づき、
くるり! 音もなく。
そしてヒョイヒョイヒョイヒョイ。
ベランダの仕切り板をくぐって闇にドロン。
はじめ猫かと思いました。
ここは猫山、しょっちゅう猫が通ります。
ところが目の前に現れた瞬間から、
どうも動きが猫でない!
オーラがちがう!
顔がちがう!
なんかとっても野生的!
すばしっこい!
タヌキ?
イタチ?
台湾リス?
ハクビシン?
ふむ。
こういうときは、ネットで画像検索。
あ!
こ、こ、これは。
てか。
そんなに驚くこともありませんが、
どうやらハクビシン。
みたい。
ああびっくり。
眼が覚めた。

・鎌倉の時を重ねる四月かな  野衾