電子文字

 

・出社まで時を遅らす桜かな

商品としての電子書籍を
まだ買ったことがなく
読んだことがありませんが、
ディスプレイに表示された文字を読む
ということであれば、
日々行わない日はありません。
なので、
「電子文字」のほうが
わたしとしてはぴったりきます。
ところで、
体感としての電子文字の特徴は、
目で追う。
目が文字たちの上を滑る感じ。
ななめ読みが基本、
みたいな。
に対して、
従来型の紙の文字は
目で追いながら指で触る。
目で追うのと指で触るのとで
何処が違うか。
仕事のことで言えば、
間違いの気づき方が違う気がします。
校正作業をすると
それがよく分かります。
面倒でも、
出力した紙で読むほうが
誤りを見つけやすい。
紙に印字された文字はたしかに存在していて、
指でなぞれる気がします。
指先の感覚は精密。
ところで、
ディスプレイ上の文字となると、
極端に言うと、
こちらの意識を相当高めていないと、
何が書いてあるのか分かりません。
「手触り」「手触り感」という言葉を
このごろの書籍広告でよく目にしますから、
みなさん、
共通のことを感じているのではないでしょうか。

・枝離れ地に落つまでの桜かな  野衾