隙間で息するように

 

・室温の二十度となり皮を脱ぐ

野原に片耳といえば、
『ブルーベルベット』
一九八六年に制作されたアメリカ映画。
ずいぶん昔に観て、
すっかり忘れてしまいました。
監督・脚本はデイヴィッド・リンチ。
先だって、
片耳でなく
少し汚れの付いた
片方の小さなスニーカーが
道端に落ちていたのを見たせいか、
はたまた。
ふつうの顔をし仕事している自分が、
とりあえず健康で、
なにげないフリ、
をしているわけではないけれど、
机に向かう姿が
どうも変。
たとえば。
上からひょいと眺める具合に
なり、
アレアレ? なときがあったりで、
ああこれは、
『ペーパーボーイ 真夏の引力』を思い出したせい。
空気が薄いせい。
関係ないか。
さすけねか。
ともかく。
日常を
ポスターの顔のデカい首相のように、
口角をちょいと上げ、
送っていることが
理由などなく、
ただなんとなく。
息苦しくなることはあります。
だれに向かってでもなく、
そんなんじゃないし
こんなんではないと。
音楽でも
映画でも
いまは
何でも安く手に入る時代ですから、
『イレイザーヘッド』をはじめ、
デイヴィッド・リンチ監督の作品をboxで購入。
中古ならさらに安!
隙間で息するように見るつもり。

きょうはこれから福島出張です。
出社がおそらく明日の午後になりますから、
明日のよもやまはお休みします。

・春なれば風の起こりて鼻痒し  野衾