月刊漫画ガロ

 

・春笋の伸びる音する狐狸の宿

思うところあって、
ガロの歴史と変遷をつづった『ガロ曼陀羅』や
長井勝一『「ガロ」編集長――私の戦後マンガ出版史』
をもとめたのですが、
ぱらぱらめくっているうちに、
今度はガロそのものが欲しくなり、
古書でそんなに高くなくでていたので数冊購入。
また、
あがた森魚の歌で有名になった
林静一の『赤色エレジー』も古書で。
大判の雑誌を手のひらにのせ、
ページをめくっていくと、
文字ばっかりの本よりも余計に、
封じ込められた時代の空気がもやもやと、
またはらはらと
立ち上ってくる気がいたします。
たしか中野坂下交差点のビルの地下
にあったスペースで行った
「はだしの青春」(宮本研)まで、
ひりひり思い出されます。

・口中に季の香ひろがる乾燥果  野衾