ラジオ宅配便

 

・けるるんの春先取りの陽気かな

弊社の専務は石橋さんで、
この日記に専務イシバシの名でときどき登場する。
加齢臭をカレーの匂いと間違えたり、
全集を禅宗と勘違いしたり、
明恵上人を研究している学者に向かい、
「先生お会いになったのですか?」
と破壊的な質問を投げかけたりと、
わたしだけの笑いの壺に
しまっておくにはもったいなくもあり、
その都度都度に
ご披露してまいりました。
ちなみに、
破壊的な質問をされた宗教学ご専門の先生、
内心はともかく、
外見的には動じることなく
「いえ。明恵は鎌倉時代の人ですから…」
とお答えになった。
前置きが長くなりました。
数日前のこと、
イシバシと昼食をとっていたとき、
彼女の年来の趣味の一つ、
ラジオで聴いて印象に残ったはなしを
ひとくさり聞かされました。
はなしの最初から、
わたしは
ひとつの大きな間違いに気づいてはおりました。
しかし、
いかに長いつきあいとはいえ、
嬉嬉として語る彼女の姿を目の当たりにし、
途中ではなしの腰を折るのは
いかにも無粋と躊躇われた。
と、
そんな当方の思いを知ってか知らずか、
おそらく絶対知らないイシバシは
もうムチャクチャ間違ったまま、
はなしを推し進していきます。
はなしが一段落した頃合を見計らい、
もはやどうにも我慢できなくなったわたしは、
「ラジオ深夜便でしょ。ラジオ宅配便ておかしいでしょ」
イシバシ「あ! あはははは…」
あははははじゃねえし。

↓(写真)イシバシとわたしはこれを食べたーか?

・キヤスターの襟ピンクに変りけり  野衾