ことばと言葉

 

・水含むかまくら融けず耐えてをり

主体としてのからだ、
というと、
なんだが厳しいけれど、
頭の奴隷としてでなく
ということで、
まずからだがいきいき
生きてうごいたり、
はたらくということ。
からだの延長としてのことば、
というふうに
思ったり
考えたりするときの、ことば。
でも、
ことの、
ことがらの上澄みをとらえ、
あるいは
片影をイメージし、
揺れる葉の背後で事はただ沈黙している、
というふうに
思ったり
考えたりするときの、言葉。
ことばと言葉。
どちらも楽しく
生きて悲しくはずんでいる。

・泥濘をひよいと垣根に梅白し  野衾