本は儲からない

 

・面接を終へてベランダ冬の月

映画『世界一美しい本を作る男 シュタイデルとの旅』
を観ました。
我が意を得たりの部分あり、
ちょっと違うかなの部分あり、
それはともかく、
ふだんの仕事を振り返り、
反省する機会になりました。
「本は儲からない」は深く同感。
インクの匂い、
紙の手ざわり感、
ページをめくる音を含めて本なのだ、
はまったく同感。
違和感についてはただいま反芻中。
三月一日から、
中区若葉町にある映画館
ジャック&ベティにて、
『世界一~』が上映されます。
初日の上映が終った後で、
トークイベントが企画されており、
そこでわたしがしゃべることになっています。
聞き手がいてのトークですから、
訊かれたことについて
割と正直にしゃべろうと思います。
月が変ったら、
くわしくご案内します。
お近くの方はどうぞいらしてください。
ところで、
シュタイデルさん。
だれかに似ているだれかに似ている、
だれだっけだれだっけ
だれだっけーーー、
と、
そのことに
意識が向ってしまい、
映画鑑賞中、
集中がだいぶ殺がれてしまったわけですが、
そのときは思いつかず、
いま、
ハッと思い当たりました。
「愛染かつら」の霧島昇だあああ!!
まじめそうなたたずまい、
それと、
空を飛んでゆく雁のようなあの唇。
ああすっきり。

・鰭酒や幼きころの血の香り  野衾