光瀾之観

 

・人知らず雪の園生の碧さかな

瀾は大波という意味もあるようですが、
さざなみの意もあり、
ここではこちら。
ひかりのさざなみを観る。
きのうは一日快晴で、
朝はとても清清しかった。
六時四十分頃から
谷を挟んで向こうの丘の端が明るくなり、
だんだんだんと明るくなり、
まだかまだか。
時計がちょうど七時をうつころ、
ゆっさゆっさ、
ついに朝日が顔を出した。
ひかりがあふれ。
じっと観ていると、
あ!
あ!
たしかに。
丘の端から同心円状に
ひかりのさざなみが揺れています。
ちらちらきゅるきゅるきゅる。
新井奥邃(あらい おうすい)の文章に
光瀾之観(こうらんのかん)
というのがありますが、
漢文で難しくはありますが、
同じ難しさでも、
不明の深さと味が違ってくるよう。
そのあとしばらく、
文字がちらちらし
字が読めなくなりました。
太陽をまともに観てはいけないようです。

・新雪や無音の音の鳴り止まず  野衾