歌のこころ

 

・過激派の文字懐かしや十二月

NHK「明日へ」東日本大震災復興支援ソングの
「花は咲く」という歌があります。
東北ゆかりのタレント、歌手たちが次つぎ
一本の花(ガーベラ)を手に持ち、
静かに、
語りかけるように、
大らかに、
高らかに、
つぶやくように、
歌い、
リレーしていきます。
最後は大合唱。
震災後テレビで何度も目にし、
耳にしました。
鈴木京香だけ歌いません。
なんで?
とも不思議でしたが、
何度か聴いているうちに、
あれはあれでいいと思ってきました。
ガーベラの花言葉は、
神秘、前進、チャレンジ、愛、崇高美、童心。
作詞をした岩井俊二は、
「この歌は震災で亡くなった方の目線で作りました」
と語っています。
先日、
近所のりなちゃんとママが遊びに来たとき、
このCDをかけました。
かける前に、
岩井俊二の言葉をつたえ。
歌が始まるや、
りなちゃんのママがCDのケースを持ち、
下を向いています。
と、
牡丹餅のような涙が、
ぼたぼたと落ち始めました。
りなちゃんのママは目が大きいのです。
なにげなく聴いていた歌が、
歌詞の意味、
作った人がどういう気持ち、意図で作ったのかを知ることで、
今までと全くちがって聞こえてくる
ということがありますが、
この歌の場合も、
作詞した岩井さんの意図を知るのと
知らないのとでは、
歌のこころが全くちがいます。
ご存知なかった方は、
あらためて聴いてみてはいかがでしょう。

・忘年会鍋つつきつつ胸知らず  野衾