夢に幹郎さん

 

・三日にてワンツースリーの師走かな

夢に詩人の
佐々木幹郎さんが登場しました。
あ。幹郎さん。
もうイベントは始まっているのに、
幹郎さん、
ぜんぜん慌てる様子がありません。
階段の
途中カーブする
立派な手すりに跨り、
すべって遊んだりしています。
近づいて、幹郎さん!
いいのいいの。
いいのいいのって。
幹郎さん、
だんだん若くなっていくようです。
スリムにもなって。
メルモか。
と、
幹郎さん、
緑色の分厚い一冊の本に入り、
大きく息を吸ったり吐いたりしています。
そのたびに、
本がぶわーっと膨れたり、
身を細めたフクロウみたいになったりし、
なんだかとっても楽しそう!
なんだかとっても嬉しそう!
ときどきちょっぴり寂しそう。
その本はもともと
デーヴァナーガリーで書かれた
『ラーマーヤナ』で、
わたしは
その字を読めないけれど、
そんなふうに遊べるなら、
一冊なんとか欲しいものだと思い、
その辺にいるインド人に聞いたら、
とっても高価なもので
日本円で一冊百万円もするという。
それを持つことは
一家にとって
代々家宝になるという代物。
そこまで言われたら
なにがなんでもぜったいに欲しい!
口角泡をふき、
値段の交渉をつづけているうちに、
ラーマーヤナの幹郎さんの姿が見えず。
本になったまま
イベント会場に行ったかな。

・月替り刻々迫る賀状書き  野衾