一番!

 

・はらはらと越さず遅れず落葉かな

休日、
このごろよく行く
保土ヶ谷橋交差点川辺酒店に隣接する建物の二階、
「ヘアーサロン純」へ行ってきました。
そうですよ。
ヘアーサロンで坊主刈り。
はい。
外に掲げている看板には、
午前九時~
となっていますが、
八時半目指して向かったところ、
交差点の信号が青に変り、
小走りで横断歩道を駆け抜け、
階段を見上げたちょうどそのとき、
赤、白、青のサインポールがくるくると回りだしました。
よーし!
階段を上りきりドアを開ける。
だーれもいない。
でかい声で、
「おっはよーございまーす!」
「はーい」
と奥からご主人の声。
やったー! 一番!
八時半目指してきたのには、
理由がありました。
前回、
帰宅途中に寄ったときのことでした。
ソファに腰掛け順番待ちをしていたとき、
ドアが開き、
中年の男性が老人を伴い部屋へ半分ほど入りました。
老人は父者なのでしょう。
わたしの他にも客が数名待っていたので、
時間がかかると思ったのでしょう。
「明日、出直します」
ご主人、間髪入れずに、
「ごめんなさい。明日の朝いらっしゃいますか。
それなら八時半からでもいいですよ」
その言葉が
わたしの耳の奥深くに刻まれました。
だから八時半。
そんで
一番になったというわけです。

・侘しさや落ち葉の下の物語  野衾