・焼き利かせ干物置きたる夕餉かな
男なら溝の中でも前のめりで死ねと
幕末の志士が言ったか
言わなかったか。
小説のことは
ひとまず措いといて、
奥邃(おうすい)の文を読んでいると、
生きているときに勉強するのは
あたりまえ、
それだけだけでは足りず、
死んでも勉強はつづくのだ
という気になり、
それは諦めどころか、
大いなる希望でなければなりません。
死んでも勉強がつづく
ということは、
そこで終り
ではなく、
死んでも死なず、
霊体となり
永久にひたすら
真人を目指して勉強するということ。
奥邃を最後までお世話した
秋田出身の中村千代松さんが
死を目前にした床でも
奥邃の文を読んでいたのは、
そのことを思って
のことではなかったかと想像します。
*
写真は、スライスくん提供。
・手を繋ぎ疲と怒と来たる秋の暮れ 野衾