Archives : 9月, 2013

32555歩

 

・秋深し朝日に匂ふ実香あり

先週末は年に一度の社員旅行。
金沢文庫から
六国峠を通り鎌倉の天園へ、
そこから北鎌倉まで歩き、
昼食後さらに歩いて
源氏山公園を経由し長谷まで。
「全長約十五、六キロになるでしょうか。
ま、大したことはありません」
などと強がって、
金曜の朝ここに書きましたが、
十五、六キロでどうも済まなかった。
二十キロは優にあったでしょう。
いやはやよくも歩きました。
昼食をとった北鎌倉の名店鉢の木の仲居さんたち、
旅程を聴いてみなびっくり。
さもありなん。
長谷で平地に下りたら
社員一同へろへろ。
由比ガ浜の宿に一泊し、
翌朝江ノ電でとことこ江ノ島へ。
水族館でイルカとお姐さんたちのショーを見たり、
島の参道両脇に並ぶ店を冷やかしながら、
タコせんべいを頬張ったり、
ふわふわアイスの食感に驚いたり、
二日目はオマケのようなもので
まったく楽。
台風二十号の余波が冷めやらぬ時期で、
若干天候が危ぶまれましたが、
杞憂に終り、
全行程天候にめぐまれ、
旅行日和ウォーキング日和の二日間でした。
ありがとうございました。

・源氏山歩き歩きて竹の春  野衾

いざ鎌倉

 

・秋深し未生の前の歌を聴く

トップページにも記したとおり、
今日と明日の二日間、
社員旅行のため休業とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、
よろしくお願い申し上げます。
毎年この時期、
社員同士の親睦も兼ね、
一年の労をねぎらい
また来たる期への英気を養うために、
ぶらり皆で出かけることにしています。
どこへ行くかはわたしの独断。
昨年あたりから
源氏物語がマイブームになっていますから、
源氏物語ゆかりの地へでも
行こうかしらんと一時思いもしましたが、
気が変り、
鎌倉へ行くことにしました。
横浜にある出版社が鎌倉へ社員旅行?
はい。
金沢文庫から
六国峠を通り鎌倉の天園へ、
そこから北鎌倉まで昼までかけて歩きます。
そう。
歩きます。
昼食をとりしばし休憩。
午後はまた歩き
源氏山公園を経由し長谷まで。
全長約十五、六キロになるでしょうか。
ま、大したことはありません。
なんちゃって。
このコース、
全部通しで歩くのはわたしも初めてですが、
歩いてみて感じるのは、
このコース、
百年ぐらいで俄かにつくったコースでないということ。
ひょっとしたら千年近く前、
すでに歩いた人がいたのではないか
と思えるすばらしいコース。
歩かない手はありません。
先人の歩いた土を踏み踏み歩きます。
長く歩いているうちに
今の時代の感覚が剥がれ落ち、
体が新しく生まれ変り、
もののふたちの血が蘇ってくるような、
そんな気さえしてきます。
それでは、
行ってまいります。

・彼氏出来奈実ちやん服も秋となり  野衾

六四夫婦

 

・謙り謙りして光りあり

JR桜木町駅で電車を降り、
改札口前にある
蕎麦の店川村屋で「遠藤の青汁」を買い、
エスカレータに乗って地下へ。
地下道をくぐり
上りエスカレーターで地上へ。
いつものことです。
雨が降っていました。
鞄から折り畳み傘を出し
パッと広げてさぁ外へ。
と、
向こうから、
一つの傘にちんまり収まった老夫婦がやってきます。
二人とも髪が白い。
傘を持っているのは爺さん。
突然、
婆さん傘の柄をつかみ
自分のほうへ傾けた。
爺さん苦笑。
どうも爺さん
一本の傘に二人入っているのに、
六対四ぐらいの比率で、
自分のほうをよけい
傘で庇っていたものらしい。
「な~によじ~さん。
わだしのほ~へも~とか~さをよ~こしなさ~よ。ふがふが」
と婆さん口では言わずに、
グイと柄を。
すばやかった!
それを目の当たりにし、
あはははは…と、
つい笑ったら、
二人、
すれ違いざまにわたしを睨み、
爺さん傘をすぼめ、
エスカレーターで地下へ降りていきました。
婆さん前、爺さん後ろ。

・舞い降りし紅葉鞄に入りにけり  野衾

愛染かつら

 

・弥次喜多と伊勢へ行きたし秋の風

父に『昭和の大ヒット大全集』上を買いました。
CD三枚組み。
正月、持って帰ろうと思います。
父も母も歌と仕事が趣味のような人なので、
きっと喜んでくれるでしょう。
父が叔父といっしょに
愛知県鍋田干拓地の工事のため
出稼ぎに行ったとき流行っていたという
こまどり姉妹の「ソーラン渡り鳥」も入っています。
昭和三十六年につくられた歌ですから、
わたしはまだ四歳。
青っ洟を垂らしていた頃です。
子どものころ、
こまどり姉妹のお姉さんのほうが好きだったことを
この日記にすでに書いた気がします。
一枚目のCDには「旅の夜風」が入っています。
これを聴くたびに胸がきゅんとなります。
CDの「旅の夜風」は
霧島昇と九条万里子が歌っていますが、
わたしが聴いて知っているのは、
おそらく
神戸一郎と青山和子が歌ったものだろうと思います。
なぜなら、
まだ家に来て間もないはずの
白黒テレビに釘付けになるようにして
「愛染かつら」のテレビドラマを見ていた記憶があり、
その主題歌「旅の夜風」を歌ったのが
神戸一郎と青山和子だからです。
長内美那子(おさないみなこ)演じる
高石かつ枝に
夢中になったものでした。
洟垂らしの小学生にドラマのストーリーなど
わかろうはずもありません。
が、
高石かつ枝を演じる長内さんが
なんだか、
とってもかわいそうだった。
かわいそうでかわいそうで
なんとかしてあげたかった。
性の昏さも甘さもまだ知らないころのこと。
それよりも、
切ない気持ちのほうを
先に知ったということでしょう。
ませたガキでした。

・蟹江にてこまどり姉妹を父の秋  野衾

秋分

 

・腰周りちんとんしやんの仲居かな

東に面した窓を開け、
西に面した玄関のドアを開けると、
風が通って気持ちよく、
ああいい気持ち、
いい風だ、
とつい口をついてでます。
風が家のご主人で、
住まいする人間が
避けて眺めて暮らしています。
酷暑の日が長く続いたので、
とくに涼風が心地よく
新鮮に感じられるのかもしれません。
保土ヶ谷駅頭ではおはぎを売っていました。

・秋深し和服で縛る乳房かな  野衾

Archives

You are currently browsing the 港町横濱よもやま日記 blog archives for 9月, 2013.

三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

2013年9月
« 8月   10月 »
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  
過去の日記
最近のコメント
三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。