パッパニーニョ

 

・図書館に舟虫人の集ひをり

会社の夏休み前、
単身赴任先から一時帰ってきていた
ひかりなちゃん(ひかりちゃんとりなちゃんで、ひかりなちゃん)の
パパが車を出してくれ、
いっしょに城ヶ島へ遊びに行きました。
その時撮った写真は
すでにここにも何枚かアップしました。
日がな一日夏の海を堪能したあと、
帰りの車を運転していたパパが、
「珈琲の美味しい店がこの辺りにあるはずだけど、どうする?」
と、まるちゃんに訊いています。
ひかりなちゃんのママは、
われわれのあいだではまるちゃん。
まるちゃん「行く行く!」
間髪入れずの即答。
さてそこは、
葉山の住宅地のなかでした。
なんとも羨ましいロケーションに、
なんとも羨ましい佇まいの珈琲店があり、
若く美しい女性に案内されるまま店内へ。
ドアを開けると
正面ど真ん中に水出し珈琲の
大きな器具が据えられています。
ぽたりぽたりと茶いろの宝石水が落ち、
ゆったりまったりした時を演出しています。
お店の名前はパッパニーニョ。
さりげなく写真が数枚飾られているなかに、
だれもが知っている
有名な女優さんの写真もありましたが、
一枚、
なんだかどこかで見たことのある
外国人が写っている写真がありました。
この人、
どっかで見たことある。
ひょっとしたらひょっとして???
美味しい珈琲と
極上の時間の余韻に浸りながら帰宅した後、
さっそくパソコンを立ち上げ
パッパニーニョを検索。
あの美味しいコーヒーを
自ら淹れてくれたオーナーは、
二宮寛さんといって、
知る人ぞ知る
日本を代表するサッカー選手であり、
日本代表チームの監督も務めた伝説の人なのでした。
パッパニーニョという店名は、
皇帝とよばれた伝説の男、
あのフランツ・ベッケンバウアー命名によるものだとか。
それでカイザー・ブレンドか!
へ~、で、は~、なパッパニーニョでした。

・編集は五十過ぎたら辛くなる  野衾