冠講座終了

 

・持ちたきはクワガタよりもカブトムシ

十文字学園女子大学でわたしが受け持つ
冠(かんむり)講座が終了しました。
最終日のきのうは、
カメラマンの橋本さん、
画家・装丁家の矢萩多聞さんに加わっていただき、
学生からの質問にも答える形で、
働くことについて
トークセッションを行いました。
四〇一教室を訪れるのは、
多聞さんは二度目、
橋本さんは七度目、
わたしは毎度。
学生たちも
ゲストの変ったおじさんたち(?!)に
ようやく慣れたのか、
終始なごやかな雰囲気で
たのしく
これまでの講義を振り返りました。
パン屋のおじさんを見て、
パン屋になりたいと思ったとしたら、
なれないときに挫折するけど、
パン屋のおじさんみたいになりたい
ということであれば、
パン屋のおじさんのエッセンスは、
たとえば花屋でもタクシーの運転手でも
共通にあるはずで、そのことのほうが大事だし、
自分を苦しめずにすむのではと多聞さん。
光りばかりを求めずに、
闇の中をこらえて進むことも大事だと橋本さん。
いい意味の緊張が支配する教室の風景を、
ひょっと意識が我が身を離れ、
上から教室を眺めているような瞬間がありました。
あ、これって、ジョバンニたちの教室!?
話と関係なく、
いや、深く関係して、
おもしろい! と感じた最終回でした。

・虫籠を破り逃れて甲虫  野衾