元祖スギちゃん!?

 

・いにしへにまねぶ鶯ほーほけきょ

朝日放送「パネルクイズ アタック25」や
NHK・BSⅡ「週刊ブックレビュー」の
名司会者としても有名だった児玉清さんは、
2011年5月16日にお亡くなりになりました。
春風社ではこれまで二度、
装丁の賞をいただいていますが、
そのプレゼンテーターが児玉さんで、
わたしは児玉さんから直接賞状を受け取りました。
テレビで見るとおり背が高く、
颯爽としてほんとカッコよかった。
児玉さんの遺稿集『すべては今日から』(新潮社)を読んでいたら、
え!?
児玉さんて、こういう言い回しをする人なの、
と目を瞠る箇所が何度もでてきます。
たとえば、
「悪者を描いてジェフリー・ディーヴァーと肩を並べる異色知性作家に心底敬意の乾杯をしたのだ。俺はふるえたぜ。」
「マイケルとともに苦難を乗り切ろうとこちらも懸命になり、最後には、彼女の明晰な頭脳と勇気ある心と強靭な身体に、ぞっこん惚れてしまったのだ。とても逢いたくなったぜ。」
「まったりとした女性の深情けか、蠱惑の赤ワインにとろけるような酔い心地といったミステリーだぜ。」
こんな具合。
児玉さんのモノマネをする博多華丸を見て笑う笑いに近いものを感じ、
「だぜ」がでてくるたびに笑ってしまいます。
あと、
児玉さんがよくつかう言い方で、
「ジェットコースター・ライドに乗ったような」もあります。
ツンドラ地帯の上を飛ぶ機内で読んだミステリー小説は、
「身も凍る」だったり。
比喩がわかりやすい!
アタックチャ~ンス!!って感じで、
やっぱり児玉さん好きだなぁ。
ご冥福をお祈りします。

・二百円上げても混雑床屋かな  野衾