二人の苦労人

 

・一年が終つた気になる忘年会

一昨日テレビを点けたら
「たけしの家庭の医学」をやっていました。
三時間のスペシャル番組とのことで、
日本人が抱える症状として二十四年間連続1位という
腰痛を取り上げていました。
わたしも、
高校陸上部のウエイトトレーニングで、
重いバーベルを持ちすぎ
何番目かの軟骨が少し飛び出てからというもの、
ときどき古傷が痛み、
腰をいたわりながら生活していますので、
他人事でなく番組を見ました。
パピーポジションという
幼児が這い這いするときの格好が
腰にとってもいいとのことで、
ゲストとして、
梅沢富美男が登場しました。
梅沢さんは、
仕事柄いつも重いものを身につけるらしく、
女形の衣装はなんと重さ二十キロを超えるそうです。
腰が痛くて、
自分で靴下を穿けず、
椅子に座った状態で奥さんに穿かせてもらうのだとか。
さて、
その梅沢さんがスタジオに登場したときのこと、
二週間、前もってつづけてきた梅沢さんに
実際にパピーポジションをやってもらいましょう
ということになった。
そのとき梅沢さんは、
自分の着ていたジャケットを脱いで椅子に置こうとした。
たけしがススッと近づき、ジャケットを預かろうと。
梅沢さん、それをあくまで拒否する姿勢。
たけしの気遣い。
梅沢さんの、たけしにそんなことはさせられないという配慮。
ほんの短い時間の、言葉によらない、
おそらく即興の動きだったと思いますが、
番組の主旨とは関係ありませんけれど、
見ていてとても気持ちよかった。
二人の苦労人の、
苦労によって練られた行動かと思いました。

・小料理と千成鍋の忘年会  野衾