選挙カー

 

・耳包む毛糸の帽子手放せぬ

「○○○○、○○○○です。
厳しい戦いを強いられています。お力を貸してください」
こういうことを叫び選挙カーが走っていきます。
どいつもこいつも毎度のことで、
聴きもしませんが、
根をつめて一日のゲラ読みを終え、
よっこらしょと立ち上がり
ブラインドを下ろしているときに、
ちょうど下を駆け抜けていきましたから、
いつになく腹が立ちました。
なんでおめーに力を貸さなきゃならねーのさ。
おめーに力を貸す義理なんかねーよ。
「○○○○、○○○○です。
厳しい戦いを強いられています。お力を貸してください」
この言葉のどこに、
今の政治を憂い
市民に仕えようとする深い悲しみや
真摯な志があるでしょうか。
かけらもない。
あるのは私利私欲だけ。
このごろパソコンを開き、
インターネットにつなぐと、
きたない政治屋どもの面が勝手に現れ、
削除することすらできない。
うるさいったらありゃしない。
ふだんあきらめているのに、
疲れているときは、
無性に腹が立つ。
せめて人の邪魔するな!

・かさこそと秘密めかして枯葉かな  野衾