頑固オヤジ

 

・笑みながら受付嬢の寒さかな

『昆虫記』のファーブル先生は徹底して
進化論が嫌いなようです。
好きな虫を観察しながら、
その虫の特徴が
進化の結果現れて来たとはとても思えない
とファーブル先生は言います。
たとえば、
はなむぐりの幼虫は、
ほかの同類の幼虫たちとは違って背中で歩く。
なぜはなむぐりの幼虫だけがそうするのか。
進化論では説明できないではないか。
ファーブル先生、
世界の不思議に打たれれば打たれるほど、
いのちが環境によって変化するのではなく、
環境に合わせていのちがつくられる
と感じているようです。
長年の実証的な観察にもとづく直感がものを言う世界。
ふむ。
かっこいい。
にしてもファーブル先生、
虫が好きなんだなあ。
なあおまえたち、
って虫に話しかけてるものなあ。
頑固オヤジが半生かけて記した『昆虫記』
その頑固一徹さがたまらない。

・車内にて遅延放送師走かな  野衾