山で目立つには

 

・高尾山六根清浄唱へつつ

高尾山に登ってきました。
ケーブルカーは使わず、
往きも帰りも徒歩で。
天候にもめぐまれ絶好の登山日和。
京王線の高尾山口駅から山のてっぺんまで
人の列が途切れません。
山頂ちかくの店でとろろ山菜蕎麦を所望し、
それから持参のシャケ入りおむすびを。
さて、と。
リュックを背負い、
どっこいしょと立ち上がり、
下山に向かうや、
下からぞろぞろ来たなかに、
ヴィトンのバックを肘に抱え
細いかかとのハイヒールを履いた女性が一人。
目立つことこの上なし!
小声ながら皆口々に、
「ママ、ハイヒール!」
「いいの! ほら、これ持って。もうすぐよ!」
「はははは。ハイヒールか」
「山を嘗めんなよ」
「ママ、ママ、ほら!」
「え? あ! すごい!」
子どもは子どもらしく、すぐに指摘します。
ヴィトンバックのハイヒール女子、
自業自得とはいうものの、
みんなに指さされ、
ちょっと気の毒になりました。
おそらく、
下からケーブルカーで山頂まで来て、
帰りもケーブルカーなのでしょう。
問題ないといえば問題ない。
個人の勝手ですが、
山とハイヒールというのは、
いかにもふつり合いなのでした。
保土ヶ谷の自宅から高尾山まで、往復二万歩、
いい運動になりました。

・高尾山登り下りの紅葉かな  野衾