地下帝国

 

・秋扇ダンベル穴に斜め挿し

こんな夢を見ました。
数名で日本のどこかを旅していたのですが、
わたしだけ、
はぐれてしまい、
早く戻らなければと焦れば焦るほど、
どんどん深みにはまり、
そのうち、
はぐれてしまったことまで忘れてしまい、
市場では、
今度のホームパーティーで供する
料理の材料を物色したりなどしています。
そのとき、
ハッと思い出しました。
(わたしはみんなからはぐれてしまったのだ。
あれから、ほぼ一昼夜が過ぎてしまった)
ケータイを見ると、
アンテナが一本も立っていません。
電波のひどく悪いところのようです。
電池もそれほど残っていません。
市場の魚介コーナーでは、
見たことのない大きな魚が
巨大な発泡スチロールのなかでジャンプし、
紅い目をぎろりと回しましたが、
客はそれを見ても驚きもしません。
少し鮫にも似ているようですが、
ゴブリンシャークみたいで、
なんだかとっても不気味。
そもそも市場の客が、
だれもかれも少しヘンなのです。
どこがヘンなのかうまく言えませんが、
へんなことは確かです。
(そうか。
ここはひょっとしたら地下帝国なんだ。
前に読んだ本に、
たしかこんな印象のがあったぞ!)
地上へ出る口も分からず、
途方にくれ、
あきらめかけたころ、
ひょいと向こうを見たら、
ひかりなちゃんのママの姿が眼に入りました。
(あっ!)
ママもわたしを見つけたようでしたが、
さっと横に姿が消えました。
だれかを呼びに行ったようです。
間もなく、
ひかりちゃんとりなちゃんが現れました。
りなちゃんが
一冊の本を持って
わたしのほうへ駆けてきます。
(ああよかった!)
わたしは、
顔の髭がずいぶん伸びたことに気がつきました。
みんなからはぐれ、
地下の帝国に入ってから、
髭の伸びが地上とまったく違うのです。
「みうらちゃん!」
りなちゃんでした。
手に持っているのは、
アウシュビッツに関する本です。
前に貸してあげたのです。
何回も読んだようです。
今度、別の本を貸してあげようと思いました。
はぐれてしまったことを忘れ、
買い物のことも
頭から飛んでいましたが、
愉快な気分になってきました。

・紅葉狩おむすび持つて高尾山  野衾