ナマにんにく

 

・疲れ来て今年最初の柿食ふた

先日、中華街で、
いくつかの品を店で食べずに
持ち帰り用パックに入れてもらいました。
メニューの写真にあったソーセージが美味しそうだったので、
ほかの品といっしょに、
それも買いました。
食べる段になり、開けてみたら、
つやつやしたソーセージの横に
刻んだナマのにんにくとネギが添えられていました。
家人の忠告を無視し、
ソーセージといっしょに、
ナマのにんにくもガリガリと。
版画家の谷中安規もナマのにんにくが好きだったな。
翌朝、
目覚めたばかりの家人に
いきなり怒られました。
あなたの周りの空気まで臭い!
どうしてあとのことを考えないの!
これを食べなさい!
家人いやはや、すごい剣幕。
反論の余地は微塵もありません。
たっぷりのヨーグルトに
黒糖をかけたものを食べさせられました。
まだ臭いわ!
そう言われても…。
出社途中、紅葉坂で
先月入社したFさんといっしょになりました。
にんにくのことをすっかり忘れていました。
昼が過ぎた頃、
ふと思い出し、
そのことをFさんに質すと、
「あ、あれは社長でしたか、
途中すれちがった女性がいて、
彼女が通ったときに
にんにくの臭いがしたなと思いました」
そうか。
やっぱり臭かったのか。
これは家人に言わずにおこうと思いました。

・飴色のホッケまた好し秋暮るる  野衾