なにもかも

 

・秋風や吹いて憩へる処なし

ココイチの期間限定
「炎のレッドキーマカレー」を食べたくて、
きのうも炎天下
JR桜木町駅近くの店まで歩きました。
「きのうも」というのは、
おとといも食べたからです。
おととい食べて美味しかったから、
また行きました。
根が貧乏症なのか、
期間限定という言葉にひどく弱い。
ココイチの宣伝文に、
「ハバネロや辛みオイルの辛さとともに、
玉ねぎや豚ひき肉の旨みを十分に引き出した、
辛さへの挑戦メニュー」とあります。
来月末までだそうです。
カウンターの奥の席で
皿の半分ぐらいを平らげたころ、
どやどやとサラリーマン風の
りゅうとした四人連れの男たちが入ってきて、
控えの椅子に座りました。
女性店員がさっそくメニューを持参し
注文を聞いています。
メンチカツカレー、パリパリチキンカレー、ビーフカレー。
これもおいしそうだぞ。
そうだね、
そっちにしようかな。
辛さとご飯の量はいかがいたしますか?
ええと、
ぼくは1辛でご飯の量はふつう。
ぼくは辛さふつうで、
ご飯の量は二〇〇グラムにしてください。
わたしは2辛で、
ご飯は、そうだな、どうしようかな、
四〇〇グラムにしようかな、食えるかな、
食えるか。
よし、四〇〇グラムにしてください。
そちらのお客様はビーフカレーでしたね。
辛さとご飯の量はいかがいたしますか?
なにもかもふつうにしてください。
細かく言うのがよほど面倒くさかったのでしょう。
辛さとご飯の量のふたつについて言うだけなのに、
なにもかも、とは。
なにもかもふつうにしてください。
いやあ、ウケた。
ウケました。
あやうく、
炎のレッドキーマカレーをプッと吹きそうになりました。
わたしも今度言ってみようっと。
辛さとご飯の量はいかがいたしますか?
なにもかもふつうにしてください。
ウケるっ。

・カレー食べくしゃみが出ると大変よ  野衾

 

 

●ツブヤ大学「BooK学科ヨコハマ講座」

春風社事務所を会場にして、
毎月行っているトークイベントのお知らせです。
今月は、
「長田弘の読書会」と題し、
詩人の長田弘さんをゲストにお招きします。
日本を代表する詩人のお話をすぐ近くで拝聴し、
じかに対話できる絶好の機会です。
本を読むこと、詩を書くこと、生きること、
について
時間のゆるす限りうかがいたいと思います。
当日は、
長田さんのたくさんある自著のなかから、
以下の本をとりあげ、
楽しい会にしたいと思います。
ふるってご参加ください。
お早目のご予約をお願いします。

『ねこに未来はない』(角川文庫)

『記憶のつくり方』(朝日文庫)

『定本 私の二十世紀書店』(みすず書房)

●日時 9月15日(土)午後3時~
●場所 春風社
●参加費 1000円

詳しくは、こちらをご覧ください。