トイレにて

 

・鬼灯(ほおずき)を鳴らす母まだ十一歳

夕方四時ぐらいだったでしょうか。
部屋を出てトイレで用を足しました。
ほかにだれもいません。
洗面台に向かい手を洗い
顔を上げたら、
初老の男がこっちを向いています。
しばし男を眺めました。
すこし疲れているようです。
無精ひげのせいもあるでしょうが、
それだけでもないような。
日照りの夏をご苦労さま。
この男の中に住むという
ひとりの子どもに語らなければ。
言葉にならない言葉を聞かなければ。
世界が一冊の本ならば、
本に限らず本ならば、
問題は数ではない。
わたしも一冊の本なのだ。

・こんな日もあるさ目を閉づ虫の声  野衾

 

 

ツブヤ大学「BooK学科ヨコハマ講座」のお知らせ

春風社事務所を会場にして、
毎月行っているトークイベントのお知らせです。
今月は、
「1枚のポップが本の面白さを伝える」
をテーマに、
有隣堂アトレ恵比寿店に勤務する梅原潤一さんを
ゲストにお招きします。
梅原さんのポップは注目の的、脅威の的で、
「梅原ポップ」を全国に配布したり、
文面を本のオビにつかったりする出版社もあるのだとか。
まさに梅原マジック!
梅原さんがポップをつくると、
なぜ本が売れるのか、
本にかかわる人、本好きの方はもちろん、
商品をどうやってアピールすべきかを
日々考えておられる方は、
ぜひとも聞いてみたいところです。
梅原さんが書かれた
『書店ポップ術 グッドセラー死闘篇』(試論社)に、
つぎのような言葉があります。
「小説を売りたい。でも、小説は売れない。
そんな状況に、私はポップという紙1枚で立ち向かおうと思っている。」

当日は、以下の本について、
梅原さんがつくった実際のポップを見ながら、
「梅原ポップ術」についてうかがいます。
お早目のご予約をお願いします。

奥田英朗『家日和』(集英社文庫)

荻原浩『神様からひと言』(光文社文庫)

貫井徳郎『微笑む人』(実業之日本社)

春日武彦『緘黙』(新潮文庫)

椰月美智子『どんまいっ』(幻冬舎文庫)

上原隆『こんな日もあるさ 23のコラム・ノンフィクション』(文藝春秋)

角田光代『紙の月』(角川春樹事務所)

奥田英朗『我が家の問題』(集英社)

●日時 8月31日(金)午後8時~
●場所 春風社
●参加費 1000円

詳しくは、こちらをご覧ください。

 

ホームにて

 

・虫の音に耳を澄ませて彷徨ひぬ

電車がホームに停まってドアが開くと、
ぐつぐつ煮えた鍋の蓋をとったときのように、
人といっしょに熱気が放散します。
一昨日保土ヶ谷駅でのこと、
電車が停まって
ドアのすぐ近くに立っていたわたしは、
ドアが開けきらぬうちにホームへ。
ほ~と溜息ひとつ。
もうひとつ。ふ~。
電車を降りた客が階段へ向かいます。
混雑が嫌いなわたしは、
しばらくホームで待ちます。
待っているうちに、
ホームの反対側に電車が滑り込んできて、
元の木阿弥、
またまた人が少なくなるのを待つ
羽目になったりすることもありますが…。
ところで一昨日、
ホームに降り立ったとき、
わたしのすぐ後ろから
電車を降りた初老の男性が、
ベンチに腰掛け、
背負っていたリュックとショルダーバッグを下ろし、
なかから本を数冊取り出しました。
一冊は、
紫の装丁が目をひく瀬戸内寂聴訳『源氏物語』。
もう一冊は、
小学館の新編日本古典文学全集
に入っている『源氏物語』でしょう。
装丁の模様に特徴があります。
よほど声をかけようかとも思いましたが、
よしました。
大型の『源氏物語』本をバッグに入れ
持ち歩き、
ひまを見つけては
読んでいるだろう人を知っただけで、
うれしく、
元気になり、
同志を見つけた気にもなりました。
本を読もう、
もっと本を読もうと、
長田弘さんの詩にあります。

・帰り来て膝裏痒き残暑かな  野衾

 

 

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梅原さんのポップは注目の的、脅威の的で、
「梅原ポップ」を全国に配布したり、
文面を本のオビにつかったりする出版社もあるのだとか。
まさに梅原マジック!
梅原さんがポップをつくると、
なぜ本が売れるのか、
本にかかわる人、本好きの方はもちろん、
商品をどうやってアピールすべきかを
日々考えておられる方は、
ぜひとも聞いてみたいところです。
梅原さんが書かれた
『書店ポップ術 グッドセラー死闘篇』(試論社)に、
つぎのような言葉があります。
「小説を売りたい。でも、小説は売れない。
そんな状況に、私はポップという紙1枚で立ち向かおうと思っている。」

当日は、以下の本について、
梅原さんがつくった実際のポップを見ながら、
「梅原ポップ術」についてうかがいます。
お早目のご予約をお願いします。

奥田英朗『家日和』(集英社文庫)

荻原浩『神様からひと言』(光文社文庫)

貫井徳郎『微笑む人』(実業之日本社)

春日武彦『緘黙』(新潮文庫)

椰月美智子『どんまいっ』(幻冬舎文庫)

上原隆『こんな日もあるさ 23のコラム・ノンフィクション』(文藝春秋)

角田光代『紙の月』(角川春樹事務所)

奥田英朗『我が家の問題』(集英社)

●日時 8月31日(金)午後8時~
●場所 春風社
●参加費 1000円

詳しくは、こちらをご覧ください。

 

夢―野外コンサート

 

・鳴き終へて蝉の死体のかろきかな

パンクな女性歌手二人のコンサート。
一人は戸川純。
もう一人は知らない。
広い畑みたいな
野原みたいなところを、
人がぞろぞろと。
パンフレットなんか要らなかったのに、
スッと渡され、
手に持ったら重かった。
捨てるわけにもゆかず。
草丈が臍の辺りまであり、
こんなところで本当に
コンサートが行われるのだろうかと
だんだん不安になってくる。
――もう真っ暗なのだ。
一寸先も分からない。
手探りしながら
ころばぬように進んでいたら、
私について来なさい。
その人に従いながら
ちょんびりちょんびり歩いてゆく。
そのまま進めというからそうしたら、
全身が
気持ちの悪い
湿った藪に入り、
息をするのもやっとのほどの
洞穴みたいにぬめっとし、
やべ、
と思ったら
抜けて、
からんと青空。
コンサート会場なのだった。
雨がぱらついて、
主催者側は想定外。
舞台の下に青々と水を湛えたプールがあり、
毛むくじゃらの
弁慶のような、
閻魔大王のような
いかめしい男が、
レオタード姿でゆうゆうと泳いでゆく。
平泳ぎ。
戸川純さんと
もう一人のコンサートのはずなのに、
楽屋では、
民謡歌手たちが控えている。
民謡歌手たちの親玉が、
金がなくて昼の弁当も出せないとぼやいたら、
わたしの隣りにいた若者が、
主催者側に交渉して
弁当をせしめてきてあげる、
と言った。
親玉、喜ぶ。
レオタード姿の弁慶
または閻魔大王が、
今度はこっちに泳いでくる。
なんなんだこいつは。
コンサートはまだ始まらない。

写真は、しょうこさん提供「大曲の花火」

・虫の音を游ぶこころの寂しかり  野衾

 

 

 

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当日は、以下の本について、
梅原さんがつくった実際のポップを見ながら、
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奥田英朗『家日和』(集英社文庫)

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貫井徳郎『微笑む人』(実業之日本社)

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・ひぐらしや道端の草ぼうぼう

毎日上り下りする自宅近くの階段横の草が、
丈三メートルほどになっています。
毎年刈られるのに、
一年でそれほどになります。
根元のところで、
干からびた蛇が死んでいました。
シマヘビでしょうか。
小さい蟻がたくさんたかっています。
翌日も蛇はいましたが、
もう蟻はいませんでした。
蛇が乾きすぎて、
美味しくなくなったのでしょうか。
昆虫記に書いてないかな。
勢いのある草に囲まれていると、
こころが落ち着きます。
子どものころ、
寝床から起きてくると、
父はすでに早朝の草刈りに出ており、
馬屋のまえには刈りたての草が
どかり置かれていました。
刈られた草のむんむんするあの匂いも好きです。

・キャンパスに蜩の声響きけり  野衾

 

 

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梅原さんがつくった実際のポップを見ながら、
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奥田英朗『家日和』(集英社文庫)

荻原浩『神様からひと言』(光文社文庫)

貫井徳郎『微笑む人』(実業之日本社)

春日武彦『緘黙』(新潮文庫)

椰月美智子『どんまいっ』(幻冬舎文庫)

上原隆『こんな日もあるさ 23のコラム・ノンフィクション』(文藝春秋)

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●日時 8月31日(金)午後8時~
●場所 春風社
●参加費 1000円

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2/8

 

・入道雲虎から龍に変りをり

今週金曜日のトークイベントのゲストは、
有隣堂アトレ恵比寿店の梅原潤一さん。
POP(商品を紹介、宣伝するための小さな紙)で、
本の売り上げを驚異的に伸ばしている
“カリスマ書店員”さんです。
弊社はこれまであまり小説を出していませんが、
本の中身を知り、
それを、
これから読む人のためにどんな言葉で紹介すべきか、
ということにおいて、
小説も非小説も関係ありません。
虚心坦懐に勉強させていただきたいと思います。
というわけで、
せっかくですから、
ご紹介いただく本を
事前になるべく読んでおこうと思い、
奥田英朗『家日和』と貫井徳郎『微笑む人』
を読みました。
『家日和』、はげしく共感し、電車の中でついほろり。
『微笑む人』、本が増えすぎて妻子を殺すかよ、ハハハ、
と思ったら、そう感じたことがとりもなおさず
作者の術中にはまっていたと後に知ることになりました。
息もつかせぬミステリー!

・八月の終りを友と語らひぬ  野衾

 

 

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「梅原ポップ」を全国に配布したり、
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まさに梅原マジック!
梅原さんがポップをつくると、
なぜ本が売れるのか、
本にかかわる人、本好きの方はもちろん、
商品をどうやってアピールすべきかを
日々考えておられる方は、
ぜひとも聞いてみたいところです。
梅原さんが書かれた
『書店ポップ術 グッドセラー死闘篇』(試論社)に、
つぎのような言葉があります。
「小説を売りたい。でも、小説は売れない。
そんな状況に、私はポップという紙1枚で立ち向かおうと思っている。」

当日は、以下の本について、
梅原さんがつくった実際のポップを見ながら、
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お早目のご予約をお願いします。

奥田英朗『家日和』(集英社文庫)

荻原浩『神様からひと言』(光文社文庫)

貫井徳郎『微笑む人』(実業之日本社)

春日武彦『緘黙』(新潮文庫)

椰月美智子『どんまいっ』(幻冬舎文庫)

上原隆『こんな日もあるさ 23のコラム・ノンフィクション』(文藝春秋)

角田光代『紙の月』(角川春樹事務所)

奥田英朗『我が家の問題』(集英社)

●日時 8月31日(金)午後8時~
●場所 春風社
●参加費 1000円

詳しくは、こちらをご覧ください。

 

 

・目の前の宙に留まる蜻蛉かな

残暑の厳しい日がつづいていますが、
今朝はとっても爽やかです。
空と雲までソーダ色。
息を静かに吸い、
ホッと吐きます。
いい気持ちです。
なんだか、
なにか
したくなります。
とくべつなことはなにもないのですが、
なんとなく、
新しいことを始めたいような。
ウォーキングとか
山登りとか
サイクリングとか
編み物とか。
もっと小さく、
ちょっと早く家を出て、
学校までのコースを変えてみるとか…。

――トンボがいました。
トンボって哲学者みたいです。
哲学者を見たことありませんが、
きっとトンボみたいなのでしょう。
空中に停まっている姿は、
まるで、
目に見えないものに向かって
対峙しているようです。
また、
目に見えないものと並行して
存在しているような。
トンボって矢印みたい。
矢は、
何に向かっているのでしょう。

・ひたすらに矢印を飛ぶ蜻蛉かな  野衾

 

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春風社事務所を会場にして、
毎月行っているトークイベントのお知らせです。
今月は、
「1枚のポップが本の面白さを伝える」
をテーマに、
有隣堂アトレ恵比寿店に勤務する梅原潤一さんを
ゲストにお招きします。
梅原さんのポップは注目の的、脅威の的で、
「梅原ポップ」を全国に配布したり、
文面を本のオビにつかったりする出版社もあるのだとか。
まさに梅原マジック!
梅原さんがポップをつくると、
なぜ本が売れるのか、
本にかかわる人、本好きの方はもちろん、
商品をどうやってアピールすべきかを
日々考えておられる方は、
ぜひとも聞いてみたいところです。
梅原さんが書かれた
『書店ポップ術 グッドセラー死闘篇』(試論社)に、
つぎのような言葉があります。
「小説を売りたい。でも、小説は売れない。
そんな状況に、私はポップという紙1枚で立ち向かおうと思っている。」

当日は、以下の本について、
梅原さんがつくった実際のポップを見ながら、
「梅原ポップ術」についてうかがいます。
お早目のご予約をお願いします。

奥田英朗『家日和』(集英社文庫)

荻原浩『神様からひと言』(光文社文庫)

貫井徳郎『微笑む人』(実業之日本社)

春日武彦『緘黙』(新潮文庫)

椰月美智子『どんまいっ』(幻冬舎文庫)

上原隆『こんな日もあるさ 23のコラム・ノンフィクション』(文藝春秋)

角田光代『紙の月』(角川春樹事務所)

奥田英朗『我が家の問題』(集英社)

●日時 8月31日(金)午後8時~
●場所 春風社
●参加費 1000円

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まさに梅原マジック!
梅原さんがポップをつくると、
なぜ本が売れるのか、
本にかかわる人、本好きの方はもちろん、
商品をどうやってアピールすべきかを
日々考えておられる方は、
ぜひとも聞いてみたいところです。
梅原さんが書かれた
『書店ポップ術 グッドセラー死闘篇』(試論社)に、
つぎのような言葉があります。
「小説を売りたい。でも、小説は売れない。
そんな状況に、私はポップという紙1枚で立ち向かおうと思っている。」

当日は、以下の本について、
梅原さんがつくった実際のポップを見ながら、
「梅原ポップ術」についてうかがいます。
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