巨球

 

・暑き日は宙に巨球の現れり

このごろは少なくなりましたが、
歩いているときに、
なんの前触れもなく、
疲れているわけでもないのに、
目の前に
とてつもなく巨大な球が現れ、
あまりに巨大(たとえば地球)なために、
口をあけて噛み付こうとするのですが、
あまりのデカさゆえ、
球面が球面でなく平面と感じられ、
噛み付こうにも噛みつけません。
それってなんなのか。
女中の玉さんの陰部を
わんぐり齧りたくなるという蘆花先生の、
性の匂いと共通するなにかなのか、
わかりません。
とにかく、
そんなことも先日、
池内紀さんに話したのでした。
だってカフカの訳者ですから。

・夏休み真白きファーブル昆虫記  野衾