サミュエル・ジョンソン伝

 

 梅咲かぬ偕楽園に友と来ぬ

わたしの朝の読書は、
『鏡花全集』の第一シーズン
(勝手にそう呼んでいます)を終え、
今度は、
ボズウェルの『サミュエル・ジョンソン伝』です。
サミュエル・ジョンソンは一七〇九年の生れですから、
日本なら、江戸時代ど真ん中。
将軍職が五代の徳川綱吉から六代の家宣に移る年です。
当時のイギリスの出版事情についての記述も多く、
ジョンソン博士の人物の魅力とあわせ、
仕事にも多少役立つことがあるかもしれません。
訳者は、
大好きな中野好夫のご長男の中野好之さん。
まだ第一巻の始めの方で、
主人公は人生の荒波に漕ぎ出したばかり。
これからどんな人と出会い、
どんな出来事が待っているのでしょうか。
楽しみです。
このごろ、実人生で
「なんだよ」と思うことが多くなり、
そう感じれば感じるほど、
古典に逃げ込み、
親しむようになっていくようです。
ちゃんと、ゆっくり、実のある人と話がしたくて、
古典に向かうのこころです。

写真は、なるちゃん提供。

 目を瞑り春あけぼのの歩みかな  野衾