いやいやえん

 

 中天に黄を刷きぽっかり冬の月

中川 李枝子さんの童話『いやいやえん』を読みました。
イラストは大村百合子 (結婚後に山脇百合子) さん。
中川さんの妹さんだそうです。
これも皆さん、よくご存知のことでしょう。
わたしの周りの本好きのほとんどが、
子供のころ『いやいやえん』を読んだと言います。
そんなに面白いのかと思ってきましたが、
なんでか手に取る機会がありませんでした。
大人の本をずいぶん読んできて、
なんだかだんだん飽きてきて、
少しいやにもなりましたから、
『いやいやえん』を読むには
ちょうどいい頃合か(笑)と思ったりもし、
道を挟んですぐ近くの
神奈川県立図書館で借りてきて読みました。
図書館は便利です。
手に取ってみて、
上製本なのにしなしなと手になじみ、
いかに多くの人に読まれているかが感触でわかりました。
さて読み始めたら、
途中でやめられず一気に読んでしまいました。
独特! おもしろい!
ふね! くじら! くま! おおかみ! いやいやえん!
ふむ~。すごい!
今まで読んできた本とちがうなー。
絵がまたいい!
どの話も小難しい因果の理法を超えています。
しげるくん、いいなあ。わかるなあ。
深くとてつもなく大きな河が物語の底を流れているよう…。
堂々としていて、大らか。
子どものころ読まなかったことは、
必ずしも悪くないなと
負け惜しみでなく思い始めています。

写真は、昌子さん提供。

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