名探偵カッレくん

 

 息つめて汗を呼び出す布団中

風邪の熱がひいた土曜日、
近所のりなちゃんから借りていたリンドグレーンの
『名探偵カッレくん』を読みました。
子どものころ、
外で遊んでばかりいて、
本を読みませんでしたから、
本好きの子ならふつう読んでいるだろうと思われる本を、
わたしはほとんど読んでいません。
まえにひかりちゃんが貸してくれた
メアリー・ポピンズのシリーズなんかもそうでした。
でも、
幸か不幸かわたしの場合、
精神のあるところがあまり成長していないらしく、
五十を過ぎた今読んでもじゅうぶんに楽しめます。
源氏もいいけどカッレもね、みたいな。
てゆうか、
よく言われるように、
名作はいくつになっても読んで楽しい、
ということに尽きるのかもしれません。
ところで、カッレくん、
面白かったー!!
カッレくんが寝ている犯人の指紋を取ったり、
車のタイヤの模様を書き留めたりしたメモが、
どこでどんなふうに役立つのだろうと思いながら
読み進めていると、
ジグソーパズルのピースがカチリとはまるように、
ちゃ~んと物語の大事な場面で役に立つ。
うまいもんだなーと思います。
いちばん好きな場面は、
カッレくんが木の上にかくれて
犯人の様子をうかがっているところ。
大好きな友だちの女の子エーヴァ・ロッタがやってくる。
彼女がカッレくんを見つけ
声に出して呼びかけたら万事休す。
彼女はカッレくんを見つける。
カッレくんは目で合図し、
人差し指を伸ばし口にあてる。
彼女はカッレくんに声をかけなかった…。
う~ん。いいなー、ここ。
映画監督ならここをきちんと撮るだろうな。
山田洋次監督がリンドグレーンファン
だったとは知りませんでした。
ということで、
りなちゃん、
次のもお願いします。

 高熱を遣りて華やぐ冬景色