話の筋道

 

  柿食へば柿の味する時節なり

これも加齢現象の一つであるとは思うのですが、
仕事でもプライベートでも、
話の筋道を一瞬、見失うことがあります。
増えました。
短い話をポソッと置くときはその限りではありません。
ジャズの即興よろしく、
ブババババーッと話し始めているときに、
それは起こります。
ジェットコースターの勢いが増し、
レールのない空中に
トロッコが飛び出してしまったような、
とでも申しましょうか。
あれれ、
いまオレ何しゃべってた?
そんなふうです。
話の筋道を思い出し、
ちゃんと元のレールに戻れることもあれば、
どうにも戻れずに、
そこから始めて
レールを新たに敷設しなければならなくなったり。
その一瞬くらくらするような空白は、
それはそれで一つの味があります。
嫌いではありません。

 秋深し言葉の多き心地して