0から

 

 そこだけはとろり微かの薄かな

PR誌を兼ねた「春風目録新聞」の第九号が出来ました。
特集は、「今、読みかえす本」
二年前に亡くなった師・竹内敏晴は、
春風社の十周年に際し、ことばをくださった。
「1から始まる巡りの時節は終った、ということだ。
これからは改めて0から始まる歴史を築いていく時節だということ。
0、だれも気づかなかった視点、
いわばアルキメデスの支点を発見しては
新しい世界の展望を開いていってほしい。」
竹内さんの遺言と受けとめ、
新しい歴史に参画できる仕事をしたいと願う。
願うだけでなく、
こころして頑張ります。
悲しみと喜び、苦渋とご縁、恩寵を核にし、
静かにこころ沸き立たせる本を作っていきたい。
紙とインクの本は、
それを盛り込めるだけのどっぷりと深い器なのですから。
電子書籍にまかせておくわけにはいかない。

 ゴキブリを追いかけ猛き猫となり