厚着して脱いで仕事にかかりけり
五十を過ぎた頃から、
詩がおもしろいと思うようになりました。
一番は、
『父のふるさと』の巻頭に、
佐々木幹郎さんから「そんだらごど言ったって」
を書いていただいたことでした。
わたしは、
こころがふるえ、
はじめて詩がわかった気がしました。
どんなふうにわかったかはわかりません。
それが大きな節目となり、
自分は言わずもがな、
拙い人生経験と読書体験から、
百パーセントの人間はいないと思い定めると、
ますます詩が、
詩の言葉がおもしろくなり、
吉増剛造さんが来社された折、
おもしろく読んだ吉増さんの本に、
サインまでお願いしたりもしました。
英語の不得意な生徒が、
中学一年の教科書から勉強しなおすように、
岩波ジュニア新書の詩の本を読んだり。
詩を、
言葉を本気で勉強し直したいと思います。
その意味で詩は、モーツァルトに似ています。
最後にとっておいてよかった、
と思います。
*
春風社の本が二冊、
朝日新聞と神奈川新聞に取り上げられました。
コレとコレです。
どちらもおもしろいですよ。
遥か来てぽっと染めゆく薄かな