ベラ

 

 秋の田の空に道あり御来迎

帰りの電車で、
ベラによく似た人を見ました。
ドアの近くの一つしかないボックス席にいましたから、
すぐ眼に入り、
眼が合っちゃったかもしれません。
おとなしいのに、口大きい。
あ。いえ。見てません見てません。
わたし、ほら、本を読むし(心の声)。
ああ。焦ったー。迫力あるー。
見ないようにしとこう。
と、
なんだか、
その辺の空気がどやどやと崩れ始めたようで、
惹き付けられ、
眼をやると、
ベラが大きなあくびをしていました。
すっげー!!
自分の体をまるごと飲み込んでしまうぐらいの口のデカさ。
こえー!!
ベラはスーツを着、
膝をぴっちり合わせていました。

写真は、なるちゃん提供「コルチカム」

 腰揺らし指さらさらと芒かな