無垢の博物館

 

 八月や残るページを数へをり

トルコ初のノーベル文学賞受賞者オルハン・パムク
(名前からなぜか重量挙げの選手を想像)
の受賞後第一作『無垢の博物館』を読みました。
上下二巻、長かった~。
朝日新聞に掲載された書評を読み、
面白そうだったので買いましたが、
実際に読んでみると、
それほどとも思いませんでした。
面白いのは初めと終り、
長い中ほどがだらだらだらだらしていて、
こんちくしょうものです。
金玉がばんばんに腫れている若いときに読んだら、
ひょっとして感情移入でき、
これぞ小説!
なんてことになったのかもしれませんが、
五十の坂を過ぎた今読むと、
馬鹿言ってんじゃねーよ、
ただの自己中男の妄想話じゃねーかとしか思えません。
妄想話だったら妄想のままに突っ走ってほしかった。
なんだかアイディアをこねくり回して、
普遍性を持たせていこうとする意匠が見えていやらしい。
わたしはこの小説、×でした。

 きざはしを上り上りて虫の声