目玉焼き

 

 秋の田を風ささやきて渡りけり

ふだん朝は食べないのですが、
帰省したときだけ、朝、食事をとります。
その一番の理由は、
父が飼っている鶏の産みたての卵の目玉焼きが食べたいから。
記憶している目玉焼きの味そのまま。
昔の農家はだいたい鶏を飼っていて、
卵を買うなんてことは少なかっただろうと思いますが、
近頃はとんと見かけなくなりました。
わたしの実家では、
祖父の代からずっと鶏を飼っていて、
祖父亡き後、今は父が引き継いでいます。
なんで鶏を飼わなくなったんだろうと父に尋ねると、
祖父の代からのことで、
あたりまえに見えるだろうが、
生き物を育てるというのは、
鶏に限らずなかなか難しいものだとのことでした。
炊き立てのご飯の上に目玉焼きを乗せ、
箸で割って醤油をかける。
ご飯と一緒に食べれば、口中ほんわかお祭り気分。
これぞニッポンの朝食!
よし、今日も頑張るぞー、
となるわけです。

 近づきて誰が誰やら盆踊り