意外!

 

 マンションのドア開け放ち秋を呼ぶ

暑いので、
ココイチ(カレーハウスCoCo壱番屋)に
カレーを食べに行きました。
正午前ですから、まだそんなに混んでいません。
カウンターに座り、
期間限定のチキンと夏野菜カレーを注文しました。
トッピングにイカフライはいつものこと。
量はふつうで、辛さは1辛。
と、
わたしから二つ席を空けたドア側の端にサラリーマン風の男性が座り、
ビーフカレーの3辛、量はふつうを注文しました。
むむ、3辛か(汗)
おぬし、なかなかやるな…。
3辛はまだ食べたことがありません。
と、
ふう~っと汗の臭い。
見れば、大柄なとび職風の色黒ガテンお兄さんが、
わたしの隣にピタリと座りました。
髭まで生やし、それがモミアゲまでつながっています。
ニッカボッカを穿いています。
ちょっと怖そう。
この人一体なにを注文するだろう。
興味が湧きました。
おねえさんが注文を取りに来ました。
「ご注文をうかがってよろしいですか?」
色黒ガテンお兄さん、言下に、
「カツカレー、甘口、大盛り」
え゛え゛え゛え゛え゛!!!
そんなに色黒で汗臭くて髭まで生やしてニッカボッカなのに、
甘口なの?
わたしの顔に一瞬、
そのような驚愕の表情が浮かんだかもしれません。
気のせいかも分かりませんが、
ガテンお兄さん、
キッとわたしを睨んだようでした。
「甘口じゃ悪いかよ…」
いえ、そんなことは決してございません。
ただ、ちょっと意外な感じがしたものですから。
「カツはトンカツでよろしいですか?」
とのおねえさんの質問に、
ガテンお兄さんは微かに首を縦に振りました。
わたしは下を向いて自分のカレーをひたすら食べていました。
なんだか嬉しくなりました。
程なくして、
またおねえさんがやってきました。
「カツカレー甘口大盛りです」
ガテンお兄さん、ジッと皿を見、
少しだけ微笑んだようでした。
そして今度は脇目もふらず、一心不乱に、
カツカレー甘口大盛りに向かいました。

下の絵は、わたしが描きました。

 坂道を上り切ったら秋の風